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第9回 檸檬小説コンテストの入選作品が決定しました!テーマは「告白」でした。

4名の審査員がそれぞれ10点の持ち点を持って全応募作品を読み、良いと思った作品に加点していく方式で審査を行いました。
グランプリ受賞1作品、準グランプリ受賞4作品を発表いたします!

審査員の2名が最高点を付け、グランプリ受賞となりましたが、あとの2人の審査員は点を入れず、評価が分かれました。とは言え「強く支持する人と支持しない人」に分かれる作品は良い作品だと言いますよね。おめでとうございます!
不良っぽい見た目で校内でも有名な辻くんが、ある日突然主人公に告白。一度は驚いて断る主人公だけれど話はそこで終わらず、その後徐々に距離が近づいていく……というお話です。
審査員の1人は「男性キャラが非常に魅力的で『これが好きじゃなかったら、何が好きか教えてくれよ』というセリフが強く印象に残った」という感想を持って高く評価したのですが、別の審査員は「セリフが幼すぎてすんなり入ってこない」という感想を持ちました。
1話ごとの長さが適切で文章も読みやすく、徐々に近づいていく2人の関係性が伝わってくる素敵な物語だと思います。また「告白」から始まるラブストーリーということで、テーマがしっかりと活かせているのもいいですね。
ただ、最後の2話はやや蛇足かなとも。キャラクターに共感できていない状況だと、長セリフでの愛の告白はリアリティが薄く、読者の心を冷静にさせてしまう原因にもなりかねません。主人公への愛を語る部分と好きになったきっかけの話は、もう少しコンパクトにして告白前に持ってきたほうがいいのではないか?と思いました。


審査員の1名が最高点をつけました。 離婚歴のある男性が部下の女性に告白されたものの、かつて自分の家族を不幸にしてしまった罪悪感から交際に踏み切ることができず、インターネットの匿名掲示板で相談する、というストーリーです。
話の途中でオチは読めましたが、読後感が良く「そうあって欲しい」というところに話が落ち着いたのが良かったです。審査員の1人は「人生には必要な嘘もあると思わされる」という選評を書きましたが、たしかにそうだなと思います。
ただ、テクニック的な面で、地の文が主人公視点になったり第三者視点になったりと揺れている箇所があることや、離婚経験のある審査員からは「離婚の扱いがやや軽い気がする」とのコメントがありました。離婚や大病、恋人や配偶者・子供の死というような「人によっては遭遇せずに人生を終えることもある、重大な出来事」をテーマとした場合、経験した方から「こんなものじゃない」という感想を持たれることはわりとありますので、その点は意識されるといいかもしれません。「経験していないことでも経験したかのように書けるからこそ作家なのだ」というようなことを吉本ばななさんも言っていましたので、がんばりましょう!

非常にルックスが良く、女子からは「王子」と呼ばれてちやほやされている高校生の「リク」が、カフェでバイトしている「チカちゃん」を好きになり、告白しまくるお話です。
お話が始まったときは「リク」が、女子にモテまくっている格好いい男のわりには、言動も行動もあまりにもイケメンらしくなく、はっきり言ってだいぶ変な人ので「なぜ?」と思ったのですが、オチがわかったときに腑に落ちました。チカちゃんをまるごと受け入れるためには、リクは一般的なイケメンではなく、ちょっと変な人である必要があったのかなと。
また「告白」というテーマは、リクからの告白のことかと思っていたのですが、チカちゃんからの「告白」もあり、二重にかかっている点もおもしろいと思います。
ただ、話の展開がゆっくりで「長さ」を感じてしまいました。1話ごとに視点が移り変わる手法も、スピーディなお話だと勢いで読みきれてしまいますが、今回は「視点が変わることによる読みにくさ」のほうを強く感じてしまった審査員が多かったようです。

同じ高校から同じ大学に進学した主人公と涼太。主人公は涼太に一度振られているのだけれど、それからも仲のいい友達関係は続いている。女友達には「あれで付き合ってないなんて信じられない」と言われるのだが……というところから始まるお話です。
地の文も会話も短いセンテンスで構成されており、テンポが良く会話にリアリティがあります。
「大学生ぐらいのときにこんなことあったなあ」と思い起こさせてくれるようなリアルさがこの小説の魅力だと思うのですが、そのリアルさゆえに、細かい部分に「どうして?」と突っ込みたくなってしまう部分がありました。
たとえば冒頭で「大学に入ってからもいつも一緒に登下校している」とあるのですが、大学は取る授業が違うと登下校の時間が変わるので、どうやって一緒に登下校するのだろう?とか。毎日どこかで待ち合わせたり、全部同じ授業を取っているとしたらまた、関係性の深さが変わってきますよね。それから、主人公が、友達でいたいがために図書館に来なかった涼太に深く突っ込まなかったのは理解できるのですが、涼太は「携帯壊れてた」となぜ言わなかったのだろう?とか。
リアルさが売り、というのが読んだときの印象でしたので、そのあたりにもこだわっていただくと、質があがったと思います。

自分への自信のなさから「パパ活」をし、それをきっかけに恋人との関係性を見つめ直すお話です。
序章の雰囲気がとてもよく「これからおもしろいお話が始まりそう!」という期待感がありました。1章以降の展開もけしてその期待感を裏切るものではなく、全体的に雰囲気よくお話をまとめていると思います。審査員の1人は「もっと長編に膨らませて、紙の本で読んでみたい」という感想を持ちました。
ただ、ときどき少し綻びが見えるな、という印象は拭えませんでした。たとえば、序盤の性描写は果たして必要だったのか?とか。審査員の1人は「序盤で自分に自信がないという点をもう少し丁寧に描いてほしかった」という感想を持ったのですが、たとえば彼氏との性行為を通して、そのコンプレックスが浮かび上がるような描写があれば、描いた意味があったと思います。ですが今回の描写だとそこまでの必要性は感じませんでした。
また、後半に主人公が大声で泣くシーンがありますが「うわーん」というようなセリフで表現するのはちょっと安っぽく感じました。セリフではなく「描写」で激しく泣いていることが伝わると、よりいいですね!厳しいことを書きましたが、全体的に大人っぽく、読ませる小説だからこそ細かいことが気になってしまったというところで、テーマも良く、光るものがある小説だと思います。

賞品のAmazonギフト券は郵送ではなく、マイページ上にギフトコードを表示する形で差し上げる予定です。

12月12日ごろ、受賞された方のマイページにギフトコードをお届けしますので、チェックしてみてくださいね。

本コンテストはチャット小説檸檬が主催するものであり、Apple Inc.およびアップル関連会社は一切関係ありません。また、賞品にはApple Inc.およびアップル関連会社のものは含まれません。